頑張れ! 齋藤コーチ!!
ロンドン五輪を目指す齋藤大輔コーチ
選考レースに参加した齋藤コーチ 2012年ロンドンオリンピック出場を目指して、現在レーザー級で活動している齋藤大輔コーチ(2004年卒)が、キック・オフ・ミーティングに参加するため、この日、秋田から上京してきました。
1月に鹿児島県の鹿屋で行われた2011年JSAFナショナルチーム選考レースでは、惜しくもナショナルチームの座を逃してしまい、齋藤コーチは最終選考が行われるISAFワールドへの切符を手にすることができませんでした。しかし、12月にオーストラリアで行われるこのレースに出場した日本人選手が、規定の順位以内に入ることができなければ、来年、もう一度、国内選考レースが行われることになるため、齋藤コーチにも最後のチャンスが巡ってきます。齋藤コーチは最後の可能性にかけてトレーニングの手を休めず、最後の最後まであきらめずに頑張っていくことを決めました。
そんな齋藤コーチを元気づけようと、石垣助監督(200”SAIL FOR GOAL"と書かれたTシャツの背中3年卒)が中心となって応援Tシャツを制作しました。フロントにニックネームの「SAIDAI」の文字をあしらった力強いロゴが、バックには「SAIL FOR GOAL!! DAISUKE SAITO」と入ったイカしたTシャツです。
この、できあがったTシャツがちょうどこの日、合宿所に届いたため、せっかくだからサプライズパーティーで齋藤コーチを驚かせてやろうという話になりました。
グダグダになったサプライズパーティー
主将の言葉をきっかけに、全員ジンワリと上着を脱ぎ始めた 海上練習から上がって、ミーティングの準備をしている間に、齋藤コーチを除く全員がTシャツを下に着込んで、ミーティング後に一斉に上着を脱いでTシャツを見せ、齋藤コーチをビックリさせようという筋書きとなりましたが、このサプライズパーティーを企画した石垣助監督が、Tシャツを脱ぐきっかけを全て小林主将に丸投げしてしまい、何がTシャツを脱ぐ「きっかけ」なのかを共有できないまま、ミーティングが始まってしまいまだ自分のことだと気づいていない齋藤コーチました。
いきなり大役を任されてしまった小林主将はミーティング終了後「あぁ、なんだか暑いなあ」と言いながらジンワリと上着を脱ぎはじめ「ああ、これがきっかけか」と気づいた部員たちがこれまたジンワリと脱ぎはじめました。
不自然に上着を脱ぎ始めた周囲の様子を訝しがりつつも、齋藤コーチの反応は極めて鈍いものでした。ひょっとしたら涙を流すくらい感動してくれるのでは? 齋藤コーチにTシャツを手渡す小林主将と期待していた現役部員およびコーチ陣をよそに、ただニヤニヤして周囲を見回すだけの齋藤コーチ。
なんとなく盛り下がってしまった雰囲気の中、隣にいた加藤コーチの背中に書かれた文字を見た齋藤コーチが突然叫びました。「あれ? これオレのこと?」 フロントに記された”SAIDAI”のロゴを、大学の所在地である”SUNDAI"(=駿台)と勘違いして、ヨット部の新しいTシャツを作っただけだと思ったようでした。
感動するタイミングを逃してしまって所在なさげに立ち尽くす齋藤コーチに、小林主将が「頑張ってください。そしてこれからもコーチ、よろしくお願いします」と白と黒のTシャツ2枚を手渡しました。段取りが悪くてグダグダになってしまったサプライズパーティーでしたが、激励する気持ちだけは何とか伝わったようでした。