体育会は就職に有利になるって本当ですか?
4年間体育会に所属していると、就職活動の時に有利になると言いますが、本当ですか? 不況の今は、体育会といっても全く有利にならないとも言われてますが、どっちが本当なんでしょう?
あくまでも本人次第です。
まったく面白くない物言いになってしまいますが、就職に有利となるかどうかは本人次第としか言えません。もちろん、体育会ということで評価する人事担当者は存在しますが、反対に体育会というだけで拒絶反応を示すような担当者も少数ながら存在しますので、体育会出身というだけで一概に有利になるということはできないでしょう。ただ、体育会で経験してきたことは、就職活動に十分いかすことができるということは言えますし、大学の体育会という存在が、日本の各企業において一定の評価を得ているということも、また事実です。
体育会出身者が就職活動で有利になるとしたら、いったいどんなところを評価されるのでしょう? 巷間言われていることは『ガッツがある』、『体力がある』、『上司に対して従順である』といったところでしょうが、それらは表層的にすぎる見識と言わざるを得ません。企業の採用担当者が体育会出身の学生を評価する理由は、組織マネージメントにおける経験値の高さです。
体育会のクラブは、学生選手権での勝利という明確かつ困難な目標を持っています。1年間という時間の中で(一つの体制で一年間)、組織の構成員のモチベーションを高く維持したまま、ラクとは言えないトレーニングを積み重ねていくということは、極めて高度な組織マネージメントが要求されます。しかも、体育会という組織は、社会人であるOBと接する機会も多く、加えて遠征時には様々な分野の人間とシビアな交渉をすることもあり、体育会で幹部を務めるためには、社会人として最低限のコミニュケーション・スキルが必要となるのです。
質問にもあるとおり、最近では体育会出身ということが評価されにくくなっているという状況は、確かにありそうです。しかし、それは不況というような理由ではなく、大学の体育会の変質によるものだと考えるべきでしょう。いまや、体育会を単なる競技力向上のための組織として捉える大学も増えており、一人の有能な指導者が生活面から何から手取り足取り指導するという、高校の部活動のようなスタイルも珍しくなくなり、大学の体育会だからといって自主的な組織運営を経験をしているとは限らないという状況になりました。
つまり、いまや体育会という看板だけで就職戦線を勝ち抜くことは難しく、体育会という組織で何を経験し学んできたかが大切になるということでしょう(つまらない結論ですみません)。